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オランダ・アムステルダムで活動するイタリア人デザイナー アンドレア・トレマルキ(Andrea Trimarchi)とシモーネ・ ファレジン (Simone Farresin)によるデュオ「フォルマファンタズマ(Formafantasma)」の作品集。本書は、若い世代の読者にも大人にも新しい生態学的リテラシーを育むべく、フィクションと科学的な観点での研究を融合させた絵本のような手法を用いた一冊である。
ベルギー、ヘンクで1900年代に繁栄を見せた「ウィンタースラーグ炭鉱」は、時代の変化の流れの中で1988年に閉山した。その場所の新たな役割を模索していたところ、2000年にクリエイティブ産業の拠点とするアイデアが生まれ、2005年に「C-mine」という名でプロジェクトが発足し、現在は文化施設としてありながら産業開発の中心として新しい役割を担っている。
本書は、工業地帯跡地という性質とその場所があり続ける目的を探りながら活動する「C-mine」がレジデンス・プログラムを伴う制作を作者に依頼したことから生まれた一冊であり、人間と環境、そして他の生物との間に存在する複雑な関係性を探っている。
2部構成で作られたこの作品は、アーティストであるクレマン・ヴュイリエ(Clément Vuillier)による挿絵が添えられた物語で始まる。採掘場跡の原っぱで穴に落ちた子供が、地球の隠された層を巡る旅に出るが、そこで思いがけない生命体に遭遇し、彼の世界観を変えていくストーリーである。第2部では、映画史家、写真史家であるテレサ・カストロ(Teresa Castro)が批評的な視点で著したエッセイ、生物学を専門として教鞭を執るナタリー・ビーナーツ(Natalie Beenaerts)、地質学を研究するローランド・ドリーセン(Roland Dreesen)、「Research Institute for Nature and Forest」でシニア・リサーチャーを務めるディルク・マース(Dirk Maes)、微生物学者であるフランソワ・リノー(François Rineau)への作者によるインタビューや対談、そしてルイーズ・オシエカ(Louise Osieka)と作者が書き下ろした寄稿を収録する。
アーティストでありデザイン界の巨匠として世に知られているエンツォ・マーリ(Enzo Mari)や、芸術家でありグラフィックデザイナー、プロダクトデザイナー、教育者、研究家、絵本作家というさまざまな分野で多岐にわたり活躍したブルーノ・ムナーリ(Bruno Munari)のような人物が遺してきた教育に寄り添うような作品に作者は触発された。「C-mine」を訪れ、炭鉱跡地という人間が荒廃させた風景の中に生命が息づく様子に刺激され、虚無や腐敗という概念に疑問を投じ、一見生命がないように見える産業革命後の地域であっても、繁栄する生態系として捉えうることを読者に伝える物語を作りたいと考えた。地球と人類が複雑な課題に直面している今、資源の大規模な搾取を行う「エクストラクティビスト(資源抽出主義者)」が描いてしまった物語を我々に改めて考えさせ、変革への理解を深め、調和のとれた共存の可能性や協力関係を見つめ直すよう促している。
書籍名:DOWN UNDER by Formafantasma
頁数:208 pages
サイズ:170 x 240 mm
発行元: NERO EDITIONS
発行年:2025年
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